節約しながらプチ贅沢生活 〜これでわかる!素人の為の資産運用講座〜第4回

  これでわかる!素人の為の資産運用講座

私の知り合いの都内某金融機関に勤める現役金融マンMさんにお願いしてマネー講座を
していただくこととなりました。月に2回くらいの更新で進んでいきます。


(ご注意)この文章には、様々な投資に関する話の中で、いくつかの特定の金融商品等に関する話がでてきます。しかしながら、それらの商品に実際に投資するかしないかは、お読みいただいた方ご自身で判断していただきます。もちろん、その商品に投資したことにより被った損失等は、すべて購入した方の責任に帰するものであり、筆者および当ホームページの管理者は一切責任を負いませんので、ご注意下さい。


第4回 株式投資について(2) (2005.3.12

8.株を買ってみる

 さて、それでは試しに株を買ってみましょう。そのためにはまず証券会社を選ぶ必要があります。どんな証券会社があって、どうやって選ぶかについては、後ほど説明するとして、今回は私が実際に取引をしている「Eトレード証券」で架空の取引をしてみることにします。ちなみに、Eトレード証券はネット取引専門の証券会社で、インターネット上で取引のための指図を行います。

 実際に株を買う場合には、買う株の銘柄を慎重に選ぶ必要がありますが、それについても後ほど説明することとして、今回は前出の「トヨタ自動車」を買ってみることにします。

 さて、おもむろに新聞を開いてみると、土日祝日の翌日でなければ、前日の株の取引状況が記載されているはずです。トヨタ自動車は東証1部上場企業ですから、まず東証1部の欄を探します。そうすると、さらに細かく業種ごとに欄が別れているはずです。この欄の分け方は新聞によって少しずつ違うのですが、自分の取っている新聞ではどのように分けられているか、毎日観察しているうちにだんだんと慣れてくるはずです。私の取っている新聞では「運送機器」という欄があり、そこに「トヨタ」と記載されています。少ないスペースにたくさんの会社の株価を記載するために、大体略して書かれています。

 今日(2005年3月12日)のトヨタの欄を見ると、この書き方も新聞によってやや違うのですが、「始値4130(円)高値4150(円)安値4100(円)終値4100(円)前日比マイナス10(円)」とあります。これは、取引開始後最初に成立した値段が4130円で、取引終了直前の最後に成立した値段が4100円で、その間一番高かったのが4150円で、一番安かったのが4100円であることを表しています。ただし、これでは、4130円から4150円に値上がりして、その後4100円まで値を下げただけなのか、あるいは4130円から一旦4100円まで値下がりし、その後4150円まで値上がりしてから再び4100円まで値下がりしたのかは分かりません。ただし、前日の終値が4110円でそれと比べて今日の終値が4100円と10円安くなっていることは前日比から読みとることができます。

 さて、しかしこれでは、この株が今過去の値段と比較して高いのか安いのか検討もつきませんね。例えば1ヶ月前は2000円くらいだったかもしれませんし、あるいは1年前は8000円くらいしたのかもしれません。それを最も手軽に調べることができるのが、YAHOOのサイトで「ファイナンス」というページです。ここの検索欄に「トヨタ自動車」かあるいは、株のコード番号(*6)である「7203」と記入して、検索ボタンを押すと、検索結果を得ることができます。そこで、「チャート」を選ぶと1日や10年など幾つかのタイムスパンで過去の株価の推移のグラフを見ることができます。もちろん無料です。例えば10年のグラフを見ると、過去10年間では10年前が一番安く、2000円を切っていたことが分かります。また、2000年の中頃には5000円を超えていたことも、その後一旦3000円を切るくらいまで安くなって再び値上がりして4000円付近まで到達したことも分かります。また、単元株が何株なのかなどの重要な情報も、ここで確認することができます。

 YAHOOのサイトで、過去の大まかな値動きは分かりましたし、前日の終値が4100円であることも分かりました。しかし、これらは過去の値段なので、翌取引日にどんな値段が付くかはまったく分かりません。例えばあなたが過去のグラフや最近のトヨタ自動車の業績などから、4050円なら買っても良いと考えたとしましょう。

 この場合「指値」という注文方法をとります。すなわち「4050円以下でなら買いますよ」という注文を証券会社に出します。Eトレード証券の場合ネット証券会社なので、画面上でコード7203、指値4050円、株数100株と記入して、取引ボタンを押すだけです。これで注文を入れることはできましたが、実際に買うことができるかどうかは、まだ分かりません。4050円で100株売っても良いという人が現れなければ、取引は成立しないからです。Eトレード証券のトレーダーが運良く4000円で100株を売る人を見つけることができたら、4000円で買ってきてくれるかも知れませんし、あるいはその日は取引が不成立のまま終わるかも知れません。しかし、もし4000円で購入することが決まったら、証券会社の口座からは取引代金の40万円+取引手数料の750円の合わせて、400,750円が差し引かれて株はあなたのものになります。晴れてトヨタ自動車の株主名簿にはあなたの名前が記載され、株主総会の案内や配当の通知などが送られてくるようになります。

 また、とにかくトヨタ自動車の株が100株欲しいと言う場合は、Eトレード証券のトレーダーにおまかせで注文を出すこともできます。これを「成行」といいます。同じく画面上でコード7203、成行、株数100株と記入して、取引ボタンを押すだけです。4200円で100株売りたい人が見つかれば、そこで取引成立です。42万円+750円の合わせて420,750円があなたの口座から差し引かれて株はあなたのものになります。

7.どの株を買うのがよいか

 さて、実際にどの株を買うのが良いのかという問題になると、儲かる株があらかじめ分かっていたら、誰もそれを人に教えるはずがないので、結局は自分で決めるしかないのですが、そう言ってしまうと身も蓋もないので、決める際の基準となる考え方を述べてみたいと思います。

 まず、株取引そのものは、リスクのある取引です。最悪買った株の会社が倒産すれば、株は紙くず(0円)となってしまいます。預金保険機構に守られている預金とは性質がぜんぜん違います。しかし、そのリスクを低減させる方法が幾つかあります。ひとつは銘柄を多く持つということです。たくさんの種類を持てば持つほど、仮に値下がりする銘柄があったとしても、値上がりする銘柄もあって、損得が相殺されてしまうので、全体としてリスクを下げることができます。それもできる限り異なる業種の会社に投資することで、損得が相殺される可能性を高めることができます。例え10社に分散投資しても、全部が同一業種であれば一斉に値下がりすることもあり得るからです。もう一つは、できる限り長期間保持することです。株価は一時的には風評など実際の会社の実力とは関係なく値下がりすることもありますが、長期的に見れば実力相応の成長をして値段が上がっていくことが予想されます。理想は30銘柄を30年保持することで、個別銘柄のリスクや、風評リスクからはほとんど解放され、市場の成長とほぼ同じ運用結果が得られると言われています。

 実は現在、東証の取引高は過去最高水準にあり、バブル期よりも取引が活発なのです。その理由は、デイトレーダーと言われる個人投資家が極めて活発に取引を行っているからです。彼らは、ネット証券会社の出現により劇的に安くなった株の取引手数料を武器に、一日のうちに何度も売買を繰り返し、鞘を稼ぐという手法を取っています。『1年で3000万円株で儲けた』とかいう本が売られているのも、こういった人たちの出現が背景にあります。しかし、1年で3000万円儲けたということは、その人の努力や運があったにせよ、裏を返せば1年で3000万円損をしたかも知れないと言うことに他ならないのです。短期取引は、ここ数年の市場全体が値上がり基調にあるので良いのですが、逆に値下がり基調になったとたん破綻することになりかねない危険なものです。また、安くなったと言っても、売り買いをたくさんすればするほど、取引手数料がかさむことには変わりが無く、買って持ち続ける(バイ・アンド・ホールドと言います)ことが最もコストが安く済むのです。以上から、私は目先の値動きにとらわれることなく、長期に保有することをおすすめします。

 さて、東証1部の場合、一般に単元株を買うためには50万円くらいを用意する必要がありますので、30銘柄に投資しようとすると、1500万円を用意しないといけません。これでは、試しに株でも始めてみようかなという初心者にはかなり高い壁になってしまいます。そのこともあって、私としては少なくとも30年は保持することを前提に、10万円程度で買える銘柄を中心に予算に応じてできるだけ多くの銘柄に分散投資することが良いと考えます。

 その他、株を買う前に考慮すべき点には、配当と株主優待があります。配当は、例えばトヨタ自動車の場合、昨年は一株45円なので、100株で4500円(税引後4050円)の配当がありました。40万円で購入していれば、1%以上の利回りで、現在の定期預金など足下にも及びません。また、株主優待としては、例えばゲーム機器メーカーの「ナムコ」であれば、100株(3月11日現在で1株1425円)でグループ企業である「イタリアントマト」の食事券1000円分がもらえるなど、実利を兼ねている部分があるので、自分に必要なものがもらえるのであれば、一考の余地はあります。ただし、配当や株主優待には、権利確定日(*7)と言うのがあり、3月下旬に株を保有していた人が対象というケースが多いですが、会社によっても違うので、よく調べてから買う必要があります。

 ちなみに、配当の額や株主優待の内容は、毎年業績などに応じて変わるものなので、それのみを目当てに株を買ってしまうと、長期保有する意味が薄れてしまうことになりかねないので、あくまで判断材料のひとつと考えておくべきです。

 さて、最後に銘柄選びで私が最も重視している点を教えます。KPMGフィナンシャルの木村剛氏が言っていたことですが、「自分が就職したいと思っていた会社の株を買え」と言うものです。このことは、良く知らない会社ではなく、少しでも自分の知っている会社から選びなさいと言うことでもあります。株を買うと言うことは、あなたはその会社に投資をし、その会社はあなたのお金を元手に経済活動をし、そこから得られた利益の一部を配当としてあなたに返す、という意味合いがあります。良く知らない、インチキ臭い商売をしている会社に投資するなんて、気分が悪いと思いませんか。ですから、例えば友人が勤めていて話を聞くと良い会社だとか、そうでなくても良いうわさを聞いたりした、あなたが良いイメージを持っている会社から選ぶべきです。できれば、その会社で働いてみたいと思えるような会社から選ぶことができたら、もしその会社が潰れたとしても、本当に就職していたことを思えば株だけで損が済んで良かったとも思えますし、値上がりすればそれはそれでますますその会社のことを気に入ることになるでしょう。

 さっそく、良いイメージの会社を選んで、YAHOOで検索してみて下さい。次回までに単元株が購入可能な範囲の会社がで何社か候補が挙がっているようであれば、株取引を始めるべき時かも知れません。

(用語解説)

 (*6)株のコード番号

 上場されている株式については、取引をする際の利便性などからそれぞれコード番号が振られている。YAHOOのサイトのファイナンスのページでは、会社名やあるいは会社名の一部から検索することができるが、検索したページにはこのコード番号が記載されているので、気になる銘柄については、このコードを控えておくと良い。実際に取引をする際にコード番号を記載する必要があるので、いずれ買うことになった場合も必要だし、次回以降YAHOOのサイトで値動きをチェックする際にも、いちいち会社名を打たなくて良いので便利である。

(*7)権利確定日

 この日の株の所有者に配当や株主優待を実施するという、基準になる日付のこと。配当や株主優待目当てに、直前に買って、直後に売ると言う人もいるが、たった1日の株主でも配当や株主優待が受け取れることに変わりはない。ただし、証券会社を通じて株を買った場合、取引が成立した日から数えて4営業日後が取引の確定日となるので、権利確定日の前日に取引をしても間に合わないので注意が必要である。(例:今年の3月31日が権利確定日の場合、3月25日までに取引をしておく必要がある。)