外国株の投資について 〜これでわかる!素人の為の資産運用講座〜第7回
これで分かる!素人のための資産運用講座


(ご注意)この文章には、様々な投資に関する話の中で、いくつかの特定の金融商品等に関する話がでてきます。しかしながら、それらの商品に実際に投資するかしないかは、お読みいただいた方ご自身で判断していただきます。もちろん、その商品に投資したことにより被った損失等は、すべて購入した方の責任に帰するものであり、筆者および当ホームページの管理者は一切責任を負いませんので、ご注意下さい。


第7回 株式投資について(5) (2005.7.17)
14.中国株にはどんなものがあるか

 さて、今回は、具体的に香港株にはどんなものがあるか、見ていくことにします。香港市場には、およそ1000余りの銘柄が上場されていますが、まず大きく分けてメインボードとGEMに分かれます。GEMには200社程度の新興企業が上場していて、香港版のナスダック(アメリカの新興企業銘柄が上場されている)とも言われています。残りはすべてメインボードになりますが、東京市場で言えば、1部と2部を合わせたようなものだと思います。

 メインボードの中には、H株やレッドチップ(両方合わせて160社程度)があります。いずれも中国本土に拠点があり中国本土で活動している企業が、香港で資金調達を行っているケースで、レッドチップの方はハイテク企業が多くなっています。いずれも優良企業が多く、中国株ファンドの投資対象になっているなど人気も高く、値段も比較的高めの銘柄が多いようです。メインボードの残りは、香港の地元企業などのようです。

 この他、中国本土の上海市場と深セン市場には、外国人も投資することができますが、投資できる銘柄(B株)が極めて限られている(両市場とも50銘柄程度)こともあって、投資額はかなり限られているようです。両市場の大半は、人民元建てで地元の人にしか投資できないA株で、B株に比べてたいてい値段が高くなっています。そのため、いずれ人民元の為替取引が自由化されて、外国人でも自由に売買できるようになると、A株とB株の区別は必要なくなり、値段もひとつになるはずなので、その機会を狙ってあらかじめB株に投資している人もいるようです。

15.どの銘柄を買うのがよいか

 この問題は、株式投資の永遠のテーマでもあります。もし、答えを知っている人がいれば、その人は確実儲かるからです。従って、日本株の場合と同じになってしまいますが、最終的には投資する人自身で判断をして決めてもらうしかありません。

 しかし、とは言っても何か目安になるものがないと、どう選んで良いのか皆目分からないという方のために、私が銘柄を選ぶ際の基準について少しだけお教えしたいと思います。もちろん、私もまだ中国株に投資を始めて1年も経っておらず、この方法が良かったのかどうかは、判断できませんが、現在16の銘柄で平均するとプラスになっていますので、今のところ成功していると言えるかも知れません。

 まず日本株と決定的に違うのは、知っている企業がほとんどと言うか全くないことです。仮にその企業のことを調べるにも、インターネットで中国語版か英語版のサイトを覗くことくらいしか簡単にはできません。ですので、例えばその企業の地元での評判とか、中国国内でのイメージとかいったものは、まったくと言っていいほど、知ることができません。

 そうなると、後は企業としての成績である財務内容などから、判断するしか方法はないということになります。そこで、私が注目したのが、PER(*8)と呼ばれる指標です。これは、簡単に言うと、現在の株価がその企業の何年分に相当するかを表している指標で、大きいほど割高、小さいほど割安と言うことができます。もちろん、業種によって傾向が異なり、ハイテク企業などは大きくなりがちで、鉱工業などは低くなりがちなどの違いはありますが、大雑把な傾向としては、PERが10より小さい企業は、かなり割安な株価であると言えると思います。

 ただし、注意が必要なのは、本当に理由があって安くなってしまっている企業も、この中には含まれていると言うことです。例えば、周りがみんな倒産が近いと思っている企業などは、当然PERが小さくなります。そう言った場合は、取引量が急に増えたり減ったりするので、過去の取引量の推移を見ると、大体分かります。

 あとは、慶鈴汽車(香港市場の証券コードは1122)のように日本の企業(この場合いすず)と合弁している企業などもあり、初めての人は多少安心感が得られるかも知れませんし、レノボ・グループ(香港市場の証券コードは0992)のようにアメリカのIBMからパソコン部門を買収してしまった企業や、海外でも有名な青島ビール(香港市場の証券コードは0168)などであれば、規模も大きく国際的にも認知されているので、それほど心配しなくても良いかも知れません。

16.中国株のリスク

 中国株の取引をする際には、いくつか気になるリスクがありますが、まず気になるのが、為替リスクです。香港ドル建ての取引となりますが、香港ドルは事実上ほぼアメリカドルにペッグされているので、ほとんどアメリカドル建ての資産を持っていることと同じになります。

 従って、最近のように円高ドル安が進行すると、香港の株価が上昇しても、為替で損をしてしまい、円建てでは損してしまうケースもあり得ます。香港株で儲けた香港ドルは、香港旅行で使うのだとか、あるいはアメリカドルに替えて、ハワイで使うのだと言った覚悟があった方が、気楽に投資できるかも知れません。

 次に気になるのが、流動性リスクです。これは、日本のマイナーな株にも言えるのですが、著しく取引の少ない株があって、売りたいときに売ることができないケースが生じるのです。普通、日本で言えば「トヨタ自動車」のような銘柄であれば、前日の終値よりもやや安い値段で売りに出せば、指値でも十分売ることができますし、ましてや成り行きならば売却不能と言うケースはまずないと言っていいでしょう。しかし、香港株では、1日でほとんど取引がない銘柄もあり、前日の終値よりかなり安い値段でないと、即取引成立しないケースがあり得ます。これを回避するためには、取引量を見て、あまりにも少ない銘柄は避けることが重要です。

17.具体的な取引例

 さて、イメージが湧きやすいように、具体的な取引例を見てみましょう。今回は、ネット証券会社の「ユナイテッド・ワールド証券」での取引を見てみることにします。

 口座を開設したら、まず取引用の代金をあらかじめ振り込むことになります。例えば10万円を振り込んだとすると、ここでまず、香港ドルへの為替取引が行われます。今日(05.5.23)現在、レートは、1香港ドル=14.01円(買付レート)ですから、7137.76香港ドルがあなたの証券口座に入ることになります。

 さて、代表的な会社として、日本のホンダ自動車との合弁会社を傘下に持つ駿威汽車(デンウェイモーターズ)(香港市場の証券コードは0203)の買付をしてみましょう。1株=2.6香港ドルで、単元株は2000株です。単元株を買うには、5200香港ドルが必要ですから、手持ちの残高で買うことができますね。ただし注意が必要なのは、この他に取引手数料を証券会社に支払う必要があるのと、香港における証券取引関係の税金も必要だと言うことです。ただし、税金は、ごくわずかな金額ですので、あとは手数料次第でおおよそ必要な額が決まることになります。ユナイテッド・ワールド証券では、52.5香港ドルが手数料となり、5252.5香港ドル+税金(印紙税、取引所税、投資家補償金税、取引所手数料、決済費用)が必要な額になります。

 なお、指値をする場合には、株価によってスプレッド(刻み幅)(*9)が決まっていて、現在の株価よりも安い値段で買い注文をだそうとする場合には、その幅より小さく刻んで値段を指定することはできません。

 中国株の日々の値動きや、過去の値段の推移、取引量、PERや単元株数といった情報は、たいていサーチナ(SERCHINA)というサイトで確認することができます。株以外にも中国関連の情報が充実したサイトですので、一度覗いてみてください。

(用語解説)

 (*8)PER

 Price Earning Ratioの略で、株価を一株当たり当期純利益で割ったものであるため、実際には業績が発表になった後で、事後的にしか分からない。ここで、私が参考にしたのは、予想PERと呼ばれる、当期予想純利益から計算されるPERである。当然赤字企業の場合は、計算できない(マイナスとなる)ため、表示されない。しかし、ハイテク企業などの場合、赤字にも関わらず、将来への期待から株価が高くなるケースがあり、黒字化した直後のPERは100とか200になることもある。

(*9)スプレッド

 香港の証券取引所では、以下のように株の値段によって刻み幅が決まっていて、その幅でしか値段を指定することができない。例えば、デンウェイ・モーターズは、2.6香港ドルなので、刻み幅は0.025香港ドルとなり、現在の株価よりも安く買おうとすると2.575香港ドル、2.550香港ドル…のようにしか値段を付けることができない。つまり、例えば2.59香港ドルという値段は付けることができないことになっている。

 この刻み幅を知らないと、いつまで経っても買い注文が受け付けられないことになる。

株価(香港ドル)

スプレッド(香港ドル)

0.01以上0.25未満

0.001

0.25以上0.50未満

0.005

0.50以上2.00未満

0.010

2.00以上5.00未満

0.025

5.00以上30.00未満

0.050

30.00以上50.00未満

0.050

50.00以上100.00未満

0.050

100.00以上200.00未満

0.100

200.00以上500.00未満

0.200

500.00以上1000.00未満

0.500

1000.00以上2000.00未満

1.000

2000.00以上5000.00未満

2.000

1000.00以上9995.00未満

5.000